|
未来のために4
| ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
忌々しげに舌を鳴らし、淳司はぶす、とむくれる。
その様はどう見ても駄々をこねる子どものそれだ。
言葉の意味はわかる。その真意も、恐らくは考えている通りなのだろうが……
「あんた、馬鹿?」
亜季は容赦なくその言葉を紡いだ。
「な、テメエ!言うに事欠いて……!」
振り向いた淳司は絶句する。
なぜなら、亜季はからかうでもなく、馬鹿にするでもなく、本当に疑問に思っているように間の抜けた表情をしていたから。
「だって、そうでしょ。あんたのこと馬鹿だの間抜けだの散々言って……貶してばっかりだったのに……」
その後は何を言えば良いのか、亜季自身にもわからず、口をもごもごとさせている。
「うるせえな……俺だって、よくわからねえよ」
そっぽを向いて淳司は呟く。
大嘘であった。
亜季に好意を抱いているのは淳司自身よくわかっていた。
才色兼備の幼馴染だ。好意を持たない方がおかしい。
性格だって、毒舌ではあるきつい性格をしているが、彼女の性格の良さは知っているつもりだ。
ただ、彼女の剃刀のような毒舌を浴びるうちに、彼女は自分をケンカ友達としか捉えていないと思い込んでいた。
だから、その役柄に徹しようとしていたのだ。
自分自身と、彼の幼馴染であるケンカ友達の為に。
亜季は軽く首を振る。
| |||||||||||||