未来のために4
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「……なるほど、あんたが私をどう思っているのか、よ〜くわかったよ」 だが、顔には思い切り『おかしい』という表情が出ていたようだ。 「……あのな……どういう反応を俺に望んでいるんだよ?」 ヤケクソ気味に喚く淳司はそれこそ玉砕覚悟で亜季に論戦を仕掛けようとする。 しかし、反論に代わりに一つの行動が取られた。 亜季の手が挙げられたのだ。 平手がくる!と思った淳司はその攻撃を防御しようと手を挙げかけたが…… 「……流石に今のはムッときたわよ」 亜季は強引に淳司の手を握っていたのだ。 「あのなぁ!あんな唐突に動かれたら……」 今まで経緯から言って平手だろう、と言おうとしたが淳司の口から紡がれた言葉は全く別のものであった。 「……お前」 亜季の手は軽く小刻みに震えている。 よく見てみると、その小さな両肩も震えている。 流石に寒さで震えているのではないことは淳司にも検討がついた 「……巧く、いくかな?」 亜季は縋るような声で淳司に問い掛ける。 その視線は痛々しい程真っ直ぐに淳司を見つめている。 「……なんとか、なるさ」 淳司はそう答えたが、亜季はまだ彼をじっと見ている。 「……悪い……嘘が下手で」 淳司は一度視線を逸らし、にそう答えた。 「でも、最善は尽くす……皆であの世界に戻れるようにな」 視線を戻し、そう答える。 「……皆は、どうするのかな?」 「……最善だと思う選択をするだろうな」 今度は思った事を素直に口に出す。 「もし、一人でも反対したら、本当にあの策は止めるのか?」 淳司の問いに亜季はゆっくりと頷く。 「……正直、自信がないから」 そう呟き、亜季は俯く。 「大丈夫さ」 いきなりそう言われた。その口調には前のように嘘の声色が混ざってはいない。 「俺が知る限り、お前は毒舌を含めて一番頭が切れる奴なんだ。自信を持てよ」 はにかむように淳司は告げる。 (……どうしてこいつはそういう恥ずかしいことを正面きって言えるのよ!) しかも余計とも言える一言が必ずある。 性質の悪い事にあまりにも正直に。 いつもなら馬鹿にして返答するのだが、 「……ありがと」 たまには、本心からお礼を言うのもいいだろう。 雨音も、その一言だけは掻き消す事が出来なかった。